■快挙!まさかの「自治体賞」ダブル受賞
2025年12月19日に行われた「第7回Minecraftカップ 中国ブロック大会」の結果発表において、当教室のチーム「下関エントレ」が、以下の2つの特別賞を同時受賞する快挙を成し遂げました!
🏆 スマートシティしものせき賞(下関市)

🏆 私と小鳥と鈴とのながと賞(長門市)

地元「下関市」のみならず、隣の「長門市」からも高い評価をいただき、なんと「ダブル受賞」という素晴らしい成果を残すことができました。
しかし、ここに至るまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
■「自己満足」は通用しない。今年は「遊び」では勝てないテーマだった
今年の指導がこれほど厳しくなったのには、明確な理由があります。それは、今回のコンテストのテーマが、子供たちの「思考の甘え」を一切許さないものだったからです。
昨年のテーマ「Well-being(幸せ)」は、解釈の幅が広く、ある種「作った後にどうとでも理由づけができる」側面がありました。 しかし、今回のテーマは「未曾有の災害から守るレジリエンスなまち」です。
ここに求められるのは、「なんとなくカッコいいから作りました」という独りよがりな衝動ではありません。 「災害時にどう機能するのか?」 「なぜその形である必要があるのか?」 「どうやってインフラを復旧させるのか?」
その問いに対し、論理と機能で答えられなければ、どんなに巨大な建物も、社会にとっては無意味な建造物――厳しい言い方をすれば「ゴミ」と同義です。 「災害から人を守る」という目的の前では、機能なき自己満足など入る余地はないのです。
■ 平和な街・下関のリアル。「地域係数0.8」の安心感
実は、指導が厳しくなった背景には、もっと根深い問題がありました。それは、私たちが住む下関という土地が持つ「圧倒的な安心感」です。
私がこの街に移り住んで最初に感じたのは、「建物の柱が細い」という違和感でした。 「気のせいだろうか?」と思いましたが、調べてみると納得がいきました。建築基準法において、その地域で想定される地震の強さを示す「地域係数(Z)」という数値があります。首都圏が「1.0」であるのに対し、下関市は「0.8」。つまり、国が定める基準としても「東京の8割程度の耐震性でよし」とされているのです。
観測史上、震度6以上の地震記録がゼロというこの街で生まれ育った子供たちにとって、「街が壊滅する」というイメージを持つこと自体が、そもそも無理な注文だったのかもしれません。
■ 「想定外」をどう想定するか。大人ですら陥る罠
「知らないことは、想像できない」 これは子供に限った話ではありません。
東日本大震災の直後、テレビで識者たちが「想定外の事態を想定してリスクを減らすべきだ」と語っているのを見て、私はテレビに向かってツッコミを入れた記憶があります。 「お前は超能力者か? 思いもよらないから『想定外』なのに、どうやってそれを事前に想定しろと言うんだ!」
大人ですら、経験したことのない恐怖をリアルに描くことは不可能です。ましてや、インフラが止まった経験すらない小学生に「未曾有の災害に備えた街を作れ」と命じるのは、ある意味で残酷な無茶振りでもありました。
■ 私の役割は「想像の補助線」を引くこと
だからこそ、被災経験を持つ私の役割は重要でした。 彼らが決してサボっているわけではないことは分かっていました。ただ、見えていないだけ。
だから私は、鬼になって問い続けました。 「電気が止まったら、このドアは開かなくなるぞ」 「水が来なくなったら、トイレはどうする?」
私の仕事は、プログラミングを教えること以上に、私の記憶を言語化し、彼らの「想定外」の領域に無理やり「想像の補助線」を引いてあげることでした。 そのしつこい対話があったからこそ、彼らは平和な日常の枠を飛び出し、「レジリエンス(強さ)」という見えない概念を形にすることができたのです。
■評価の決め手は「ユニバーサルな視点」
その苦しいプロセスを経て完成した作品が今回評価された最大の理由は、彼らが選んだテーマの「視点の高さ」にあります。
彼らが提示したのは、特定の地域だけのニッチな課題解決ではなく、「未曾有の災害」という、日本中どこでも起こりうる危機への解決策でした。 誰もが自分事として捉えられる「普遍的な(ユニバーサルな)課題」に対し、小学生なりの真剣な答え(機能)を実装したこと。
そのメッセージの強さが、下関市と長門市の審査員の方々の心に響き、「私たちの街にも必要な視点だ」と共感を呼んだのだと確信しています。
■「悔しさ」もまた、成長の糧
実は結果発表の際、連続で名前を呼ばれたことで「もしかして、全国大会に行けるのでは!?」とチーム全員で期待し、最後に選ばれず全員でガックリと肩を落とす……というドラマもありました(笑)。
しかし、中学受験という人生の大きな戦いと並行しながら参加したメンバー、極度の緊張を乗り越えてプレゼンをやり切ったメンバー、それぞれがこの数ヶ月で大きな成長を遂げました。
「作りたいものと、求められるものの間で葛藤し、最後まで思考を止めないこと」
この経験こそが、彼らがAI時代を生き抜くための「思考のOS」をアップデートさせた証です。 チーム「下関エントレ」、本当によく粘りました。おめでとう!
▼チーム「下関エントレ」2025年の応募作品▼
▼中国ブロック本大会 提出動画▼


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